【書評】マインドセット「やればできる！」の研究を要約・感想

失敗はしたくないし、怖い。自分には才能ないから出来ないと思うことはありませんか？

本書マインドセット「やればできる！」の研究では、人間は才能が決まっていて能力を上げることが出来ないと考える硬直マインドセット。人間は努力を重ねていくことで成長できると考えるしなやかマインドセットを比較することで、私たちがいかに自分の潜在能力を過小評価していることに警鐘を鳴らしています。

	硬直マインドセット	しなやかマインドセット
挑戦	怖い、やりたくない	積極的に取り組む
障害	すぐに諦める	何回でも立ち向かう
失敗	恥をかく、負け犬	成長に必要なこと
批判	無視する	受け入れて、成長につなげる
他人の成功	妬む、引きずり下ろそうとする	一緒に喜ぶ
人間関係	努力はいらない	一緒に成長するために向き合う
努力	やりたくない	何かを得るには欠かせない

硬直マインドセット→全ては才能で決まってしまうため、成長すると思っていない。自分の今持っている才能で優秀であることを証明したい。

しなやかマインドセット→学び続けることが素晴らしいと思っている。才能は磨けば伸びると考えている。自分で物事をコントロール出来ると思っている。

今ある能力だけに目を向けるのではなく、将来上がる能力で社会や組織に貢献しようと考えるしなやかマインドセットを手に入れてみたいとは思いませんか？

マインドセットによる違い

失敗

	硬直マインドセット	しなやかマインドセット
失敗	恥をかく、負け犬	成長に必要なこと

硬直マインドセットの人たちは、失敗や挫折に対してとても怖いと思っています。それは、負けたら全ておしまいと考えているからです。例えば、テニスの試合で負けてしまったとしたら、自分にはテニスの才能がなかったから負けたと自分を否定します。自分にプレッシャーをかけ過ぎてはパフォーマンスが下がってしまうのは仕方ないですよね。

それに対して、しなやかマインドセットの人たちは、失敗は成長に欠かせないものだとしています。なぜなら失敗は学習の機会だと捉えているからです。『失敗の科学〜学習できる組織、学習できない組織』では、学習できない人たちは自尊心を守りたいために、失敗から目を背けてしまいます。学習できる組織は、失敗を受け入れて同じ過ちを繰り返さないために何が必要かを向き合うのです。

二つのマインドセットの大きな違いは、結果だけを見ているのか。結果から学び次に何をするかを見ているかではないでしょうか？

批判

	硬直マインドセット	しなやかマインドセット
批判	無視する	受け入れて、成長につなげる

硬直マインドセットの人たちは、ネガティブフィードバックを受け入れることが出来ません。なぜなら、自分が有能であることを証明したいので、自分の考えを改められないのです。

例えば、硬直マインドセットの上司がいたら部下からの提案を払い除けて、自分の考えだけに固執してしまいます。一人の意見だけで動く組織は、言われることだけをただやるだけのチームです。

一方、しなやかマインドセットの人たちは、批判を真摯に受け入れることが出来ます。『知性豊かで創造力がある人になれる〜LISTEN』では人の話を聞けない人たちは、退屈でつまらない人生だと言っています。確かに自分への批判は私たちにとって脅威です。

ただ、その脅威は成長するうえでは欠かせないものです。目の前の嫌なことから逃げていては逃げ続けてしまいチャンスが来ても掴むことが出来ません。

人間関係

	硬直マインドセット	しなやかマインドセット
人間関係	努力はいらない	一緒に成長するために向き合う

硬直マインドセットを持っている人たちは、恋愛やパートナーとの関係において努力はいらないと考えています。理由は、相性が良ければ全てうまくいくと考えています。そして、問題の原因を自分ではなく、相手や環境のせいにします。

二人に問題があったときに「もうおしまい。どうにもならない。」と解決しようとしないのです。変化に全く対応しません。

しなやかマインドセットを持っている人たちは、一緒に成長するために話し合いは必要だと考えます。むしろ、問題やトラブルが起こったときは二人の関係をより深くするためのチャンスが来たと思っています。変化が来たらそれをいかに楽しむことが出来るかを見つけようとするのです。

トラブルが発生した時の解釈の違いによって、ここまで取り組む姿勢が変わってしまうのです。

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努力

	硬直マインドセット	しなやかマインドセット
努力	やりたくない	成長には欠かせない

硬直マインドセットの人たちは、才能は決まっていて能力は伸ばすことが出来ないと考えているので、努力を嫌います。最悪なのは、努力をした結果、『失敗する。失敗したら何も得られないのは嫌だ。』と考えているのです。

しなやかマインドセットの人たちは、努力するのは、成長する上て欠かせないと考えています。私たちは、スポーツで成果を出している人を見ると、特別な才能を持っているからと思ってしまいます。ただ、その人がどれだけ練習を積み重ねていたかを先に見ることを忘れてはないでしょうか？

しなやかマインドセットを持っている人たちは、勝ち負けよりも勝つためにやってきた準備が自分の納得いくものだとしたら、勝利と同等の達成感があるのです。試合が始まるときには、一定以上の達成感を得た状態で望めているなら、そうでない人たちよりもモチベーションやパフォーマンスがいいのは当然ですね。

ビリギャル先生でお馴染みの坪田信貴『才能の正体』においても才能は結果による後出しジャンケンと同じ。結果が良かったから才能があると判断しているのです。人間は努力したらした分だけ伸びるのです。

しなやかマインドセットを手に入れるには失敗や非難に立ち向かう

私たちは、問題が起きたり、困難な状況を逃げてしまいます。しかし、しなやかマインドセットを育てるために失敗を歓迎するマインドに切り替えなければなりません。つまり、失敗したら『ここから何を学べるだろうか？この試練を乗り越えたらどんな自分と出会えるだろうか？』と学習する機会と捉えるようにすることが大事ですね。

とは言ってもいきなり失敗を歓迎しろと言われても怖いと思います。だからまずは、自分の周りで起こっていることを自分の責任だと思うようにしましょう。

硬直マインドセットの人たちは、何かあると、誰かのせいにしたり、環境や時期のせいにしたりします。変えられるものと、変えられないものを分けようとしないで目を背けてしまいます。

しなやかマインドセットを手に入れるためには、自分の内側の声に耳を傾けて、自分に出来ることがあったのではないか？と考えるようにしてみましょう。『Dark Horse〜好きなことだけで生きる人が成功する時代』では、小さなモチベーションを探すために自己判定ゲームといって相手の話を聞いているときに自分の内側の声に傾けて、自分の思いを知ることで好きなや得意な要素を見つけることが出来ます。

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感想

弱点克服は年齢によるのでは

本書マインドセットの中で、『潜在能力を過小評価し過ぎている。短所から目を背けているために問題が起きている。』と言われています。子どもや20代では弱点や長所が見えてきていない分広げるフェーズが必要だと思います。

しかし、ある程度年齢を重ねることで、ストロングポイントをいかに伸ばして組織に貢献するかを着目しなければならないのではないのかと私は思いました。

短所をマイナスからゼロにしたところで何も生み出さないのではないのか？出来ることと出来ないこと分けて、集中することが大事なのです。

人が何かを成し遂げるのは、強みによってのみである。

弱みはいくら強化しても平凡になることさえ疑わしい。

強みに集中し、卓越した成果をあげよ。

ピータードラッカー

硬直マインドセットを自覚する

特定の分野に対してはしなやかマインドセットを持っていて、別の分野では硬直マインドセットを持っているというのがあります。

私の場合だと、勉強はやれば伸びると思っているけど、スポーツはどうしても出来る人と比較して自分はあそこまでにはなれないと自分が今よりも成長できるかどうかに意識が向けられないのです。

硬直マインドセットをどの分野で持っていそうかを自覚できれば気づき、正すことが出来るのでとても有益な本でした。

書評・要約・まとめ

• 証明するのは自分の優位性ではなく、準備と努力
• 失敗は成長する上で欠かせないことだから大歓迎
• パートナーとのトラブルは、関係を深くするためのチャンスと捉える

子育てや人材育成する上で欠かせないマインドセット。心持ち一つで、自分や周りのモチベーションが大きく変わります。

失敗や逆境になってもこれはチャンスと自然と前向きになれるしなやかマインドセットを手に入れたい方は読んでみるのはどうでしょうか？