
不満はないけれど、満足はしていない。仕事や友人関係で凹むことが多いと思うことはありませんか?
この本は医師であるラス・ハリスが心理療法ACTをベースに私たちが幸福を感じるにはどう行動するかを書かれています。
ACTとは
A=思考と感情を受け入れ現在に生きる
C=自分の価値とつながる
T=効果的な行動をする

私もACTを実践して、思考が流れていることに気づくことで、無駄に悩んでいる時間を減らせて生きるのがラクに感じます。
- 幸せを感じれないのは、自分の思考や感情に囚われてるから
- ネガティブな感情は追い払ってはいけない理由
- 思考に囚われないためのテクニック
幸福になぜはまるのか?

私たちは、幸福でいることが当たり前なのに満たされていないと思ってしまいます
それは、人間が生き残るために作られプログラムなのです
緊張とは、昔サーベルタイガーと直面したときに、戦うか逃げるかを判断しなければいけない状況と同じ反応が起きています
私たちは、ネガティブ感情を避けようとするとき『幸せでいなきゃ、ポジティブにならなきゃ』となろうとします
感情はなろうとするものではなく、気づいたらそうなっているものです。コントロールすることは出来ません。
幸福を目指そうとするのではなく、ネガティブ感情との上手に付き合えたら、私たちが生きていくのが少しラクになると思いませんか?
私たちは幸福に対してたくさんの勘違いをしています
幸福はすべての人類にとって自然なことだ
幸福でいる事は稀なケースで、5人に1人がうつ病だったり精神疾患を患う可能性は30%となっています
それでもあなたは幸せでいることが当たり前だと思いますか?

幸せじゃないのは私に何か欠陥があると言う事
幸せが当たり前という前提であれば、幸福を感じていないとき「自分に何か落ち度があったのか?」と思ってしまいます
実際には幸福な事は稀なので、結果が伴わなかったとしても、自分に落ち度がない場合があります
自分の感情はコントロール出来る
いい気分になろうとしても、ネガティブなことの方が多いので、負の感情に支配されるのです
例えば、育児でうまくいかなかったとしても、周りの人たちに悟られないようにしています
でも、他の親に聞いてみると、
つまり、ネガティブな感情を抱いているのは当たり前で、それを無理矢理ポジティブにすることは出来ないのです
ネガティブな感情は払わなければいけない
ネガティブな感情は自分が生きる上でなくてはならないものでした
私たちが思っている多くの行動では、不快感や恐怖を取り払うことができません
だけど、ネガティブ感情は取り払おうとするほど、大きくなる性質があります
ストレスが溜まって酒、タバコをしても、長時間動画を見たとしても解消出来るのは一瞬だけです
長期的に見れば体には悪影響で、ネガティブ感情が大きくなってしまいます
不快感を避けるために、私たちがどんな行動しているかを知ることがまず第一のステップです
ACTの6つ基本行動原則+1

- 脱フュージョン
- 拡張
- 接続する
- 観察する自己
- 自分の価値観
- 目標に向かっての行動
脱フュージョン
思考に囚われているフュージョンの状態から抜け出すことです
例えば、「自分は無能な人間だ」と思っているとします
「考えている」と言ったことで思考と距離を取ることが出来るのです
人は1日6万回思考していると言われます。その8割がネガティブ感情。
無意識に自分を責めてしまうのを防ぐには、脱フュージョンは有効です

無意識に出てくる思考を無理なく、鎮める方法を知っているととても楽になりました
拡張
思考に居場所を作ってあげることです
例えば、「私は、性格の悪い人だ」という感情がわいたとします
思考は、避けようとすると増大します。例えば、シロクマのことを考えないようにして下さい
全文の見る前よりもシロクマのことを意識してしまいますよね
人間は忘れることが苦手なのです。だから、思考に居場所を作り、自然にいなくなるのを待つのです

思考が消えることを期待しないで下さい。あくまで、居場所を作ってあげて自然と思考が収まるのを待ちます。
接続する
思考に囚われずに、今の行動に集中していることです
私たちは、過去に起きたことを後悔し続けたり、起きていない未来に不安を感じています
また、今起きている状況が良くない時に、不満の物語が頭の中で流れてきます
例えば、
自分を責めている物語に支配されていると、仕事でミスをしたり、充実感を得られません
大事なのは、今何をするかに集中する事です
トレーニング
自分の体に起きていることに30秒間意識をかたむけます
何かものを触っている指先に感覚を集中します
この時に頭で、「今日は仕事つまらなかったなぁ〜」とか考えてしまったら脱フュージョンを行って下さい
つまり、何か思考したら脱フュージョンして作業に戻れるようにしていくトレーニングです
観察する自己

自分のことを客観的に見ています。そこには、感情はありません
例えば、テニスをしている時に、相手が打ち返してきた球を見ているのが観察する自己です
もう一つの自己は、思考する自己です。テニスをしている時に相手の打ち返した球を見て、「この球は届きそうだな。右左どちらに打とうか。思ったよりも球が伸びてきたな。」
と考えている自分がいます。観察する自己は感情を含みません
なので、「自分は失敗しやすい人間だ」と自分のやることに必要のない思考に振り回されることもなく集中できるのです

思考に囚われていると、没頭出来ないからですね
自分の価値観
自分の理想の姿を表す物です。自分は、人に優しくありたい。家族を一番に考えられるようになりたいなどです
ナチスドイツに収容されたユダヤ人の話で、たくさんの人が虐殺されました
その中で生き残った人もいます。それは、自分の価値観をしっかり持っていた人たちです
その思いが強いほど、私たちは強く生きられるのです
前田裕二さんの著書「メモの魔力」でも自分の価値観をはっきりさせていると圧倒的な熱量で努力できると言っています
例えば、就活で勝ち残るために自己分析ノートを30冊以上書いてたそうです
自分の価値観を知るための質問
人間関係
どんな関係を築いたか?
これからの人々の家一緒に続けたい行動はあるか?
幸せになりたいなら幸せになろうとしてはいけないP213
仕事、教育について
理想の自分になったら同僚や従業員、顧客は偉い人、同級生にどのように接したいか?
職場や会学校でどのような人間関係を作りたいか?
幸せになりたいなら幸せになろうとしてはいけないP213
個人的成長、健康
どんな活動を始めたいか、あるいは再会したいか?
自分のライフスタイルをどんなふうに変えたいか?
幸せになりたいなら幸せになろうとしてはいけないP213
どれか一つでもいいので、選んで答えてみてください。
目標に向かっての行動

行動は自分の価値観に沿った目標に向かっていきます
既存のルールに縛られた「〜しなければならない」「〜すべき」は思考の自己が作り出したニセモノです
世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方では、自分の得意なこと✖︎大事な価値観✖︎好きなこと=本当にやりたいことと定義しています
そのためには、大事な価値観と自分の得意なことを先に見つけるべきです

好きなことから先に見つけようとすると、「こんなこと自分には出来ないだろうと思ってしまいます。」選択肢を無意識に減らそうとします。
目標に向けて行動すると、充足感が出てきます
アクセプタンスとは?
自分自身の良いところも悪いところも受け入れることです
解決可能な問題を解決する勇気を育てなさい。
解決不可能な問題を受け入れ平穏な心を育てなさい。
そしてこの2つの違いを理解できる知恵を育てなさい。
幸せになりたいなら幸せになろうとしてはいけないP76
アクセプタンスに必要な心構えです。例えば、会話をしていて友人を怒らせてしまいました
あなたは「何てことを言ってしまったのだ」と自分を責めてしまいます
ただ、自分を責めたところで何も問題は解決しません
自分を責めてしまっていることを受け入れます
「自分は、〜(友達)のことを大事に思っているからこそ言った。だけど、もっと別の言い方もあったと思う。本当に申し訳なかった。」
自分が友人のことを思ってした行動のいい部分と言い方は良くなかったという悪い部分を認めることが出来ています

アクセプタンスが出来ると、自分を責めないようになれますね
有効であるかどうか

ACTの考え方はその思考や行動が私たちの人生に有効かどうかが基準です
例えば、ダイエットをしているのに、2キロ太ってしまったとします
2キロ太ってしまったことは事実です。ただ、この思考が次の行動を促せないのなら捨てるべきですよ
追い払おうとしてはいけません。
思考や行動が私たちにとって有効であるかどうかが大事なのですね
まとめ
- 人間は幸せでいることが当たり前だと勘違いしている
- 思考や感情に気づき、距離を取り、居場所を作ってあげる
- 自分の価値観を知り、自分のいいところも悪いところも受け入れる
医師であるラス・ハリス氏が心理療法としてたくさんの患者と向き合った
ACTとは
A=思考と感情を受け入れ現在に生きる
C=自分の価値とつながる
T=効果的な行動をする
ネガティブな感情を受け入れ、居場所を作り、効果的な行動をとる
この本には、ここでは紹介しきれなかった『価値観を見つける質問や目標の立て方』なども書いてあるので、興味のある方は手に取ってみるのはいかがでしょうか?
ACTやラス・ハリスに興味がある方はこちらの記事をみてはどうでしょうか?
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