【書評】著者 根本裕幸〜執着を手放して幸せになる本を要約・まとめ・感想

メンタル

仕事を頑張らなければならない。友人がいなければ自分に価値はないと思うことはありませんか?

この『〜しなければならない』や『〜すべき』という自分自身を縛っているのが執着です。例えば、今のこの仕事をクビになってしまったら生きていけない。今の恋人と別れてしまったらこれ以上の恋愛はできないなどです。

人のことだったら別にそんなことないってわかると思います。ただ、自分のことになると執着している対象のことで頭がいっぱいになります。そうならないために本書『執着を手放して幸せになる本』では著者の根本裕幸氏が心理カウンセラーのクライアントの例をあげて「どうすれば執着を手放せるか?」「執着に囚われているとどんなデメリットがあるか」をわかりやすく書かれています。

 

本書の結論は幸せになるために、執着を手放すのくらい大事に思うことです

私たちは、大切なものほど身近に置いておきたいですよね。しかし、本当に大切だったら自分の元を離れても気持ちは変わらない。むしろ離れてしまった方がいい事もあるということです。

例えば、自分の子どもが成人したときに、自立させるために親から離れなければならないです。ただ、子供を大事に思うあまりに、どこに行くのか?友達はどんな人か?など過保護にしているのは本当に大切に思っていることでしょうか?

つまり、本当に大事に思っているなら手放して見守ることが出来るのです。とは言っても、なかなか自分が大事に思っている人や思い出を手放すのは難しいと思います。本書を読むことで少しずつ時間をかけて執着と距離を取るためのヒントが得られます。

この記事を読んで分かること
  • 執着によるデメリット
  • 分かってはいるけど、執着を手放せない理由
  • 執着を整理する方法

執着によるデメリット

執着によるデメリット

選択肢を狭める

執着している対象にしか目がいかないために選択肢が少なくなってしまいます。例えば、仕事で自分には向いていないと感じることが多いとき、自分にはこの仕事しかないという執着を持っているとします。この先もやりがいを感じないとか、仕事で満足な成果が得られないことが職場を変えない事によって人生の満足度を下げてしまう事になります。

Dark Horse〜という本の中では、仕事で充足感を得ることは国民の義務であり、今はそういう時代になっていると言っています。自分はどういうときにやりがいや面白いと感じるのかを普段から意識して感じ取る様にしましょう。

執着によって、自分にはこれしかないと思っていないか。疑ってみてはどうでしょうか?

[書評]突破力 メンタリストDaiGo 要約〜バイアス対処法

チャンスを逃す

一つのことにしがみついている事によって、転がってきたチャンスを見送ってしまうことがあります。例えば、貯金をしなければ不安で仕方ないとします。確かに貯金は大事です。ただ、自分が資格を取りたいのに、お金がなくなる不安で、学びの機会を損なってしまうこともあります。資格を獲得すればもっと大きなお金を生み出すことも出来ます。

[書評]死ぬ瞬間の5つの後悔を要約 〇〇しておけばよかったでは、死ぬ時に最も後悔することは、やっておけば良かったです。

ぽこにゃん
ぽこにゃん

私たちに出来ることは先人たちの後悔を知り、自分の人生に活かすことですね

行動経済学者のダニエル・カーネマンが提唱するプロスペクト理論というものがあります。

私たちは、『何かを獲得する喜びよりも何かを失う痛みの方が強く感じる』のです。もし、やりたいと思っていることを一歩踏み出せないのなら失敗したときに何を得られるかを考えた方がいいです。

失敗の科学では、失敗を学習できる組織とできない組織の違いについて書かれています。その結論は、失敗にオープンな環境かどうかという違いです。失敗にクローズな環境だと失敗は悪いものだとして隠したり、同じ過ちを繰り返してしまいます。逆に失敗にオープンな環境だと、失敗を個人のせいにしないで、どうしたら次うまくいくだろうかと前向きに捉えることが出来ます。

つまり、失敗したときに失う痛みを見た後に、それでも獲得できることがたくさんある事を知ることが大事なのではないでしょうか?

執着のサイン

執着のサイン

〜しなければならない、〜すべき

種類執着
お金貯金すべき
仕事クビになったら終わり
人間関係友達といるべき
頼み事断ってはいけない
持っていなければならない
執着のサイン

自分がそれ以外の選択肢を持っていないことはないでしょうか?それは自分で自分を縛り付けているかもしれません。

その執着には、何らかの負の感情を整理できていないことが原因なのです。

執着の内側の感情

執着の内側の感情

不安や恐怖

人間は今の状態を維持したいというバイアスを持っています。これを現状維持バイアスと言います。太古の時代に、自分の安全なところに居続けた方が生存する可能性が高いですよね。逆に行ったことが無い場所にいくと危険な場所や生き物に遭遇するリスクが上がってしまうからです。

その目に見えない恐怖によって、今のままでいたいと思ってしまい執着につながるのです。

ぽこにゃん
ぽこにゃん

恋人とうまく行っていなくても、彼女が居ない方が寂しいから別れられないという場合ですかね。

不安やネガティブな感情を言い換えでポジティブにする対処法

ネガティブな感情を活かす方法〜「ネガティブな感情が成功を呼ぶ」

怒り

怒りの感情は、別の感情に蓋をするという意味があります。例えば、仕事で上司にみんながいる前で怒られたとします。上司に絶対許さないと怒りを感じているのは、みんなの前で恥をかかされたという感情を隠しているのです。その後に上司があなたのことをほめてくれたとしても、あの時怒られたことを許すわけないだろうと、怒りに執着しているのです。

私たちは、怒りなどネガティブなことはすぐに思いつくでしょう。そこに隠されている別の感情を深ぼることで自分のことをより理解できるのではないでしょうか?

【書評】はじめての「アンガーマネジメント」実践ブック・まとめ・要約

[紹介]もうイライラしない!怒らない脳を要約してみた 怒らなくなる方法

過去の栄光や後悔が忘れられない

あの時はよかったな〜って思うことありますよね。それは、過去を見る事によって、今の見ない様にしているのです。客観的に今を見ることは大事ですよね。

【書評】究極のマインドフルネスをまとめ・要約・感想〜悩みをなくす

また、あの時優しくしておけばよかったなど後悔することもありますよね。そういう時に、これから何をするかを考えることが出来なくなってしまうのです。じゃあどうすれば良いかと言うと、その時には100%頑張ったけど出来なかったと認めることです。

例えば、あの時告白しておけばよかったと思っているとします。その時に告白してもうまくいったかどうかは分からない。その時の自分は勇気がなくて出来なかった。だからこれから出会う人には思いをしっかり伝えることを教訓にしよう。

後から考えればこうすればよかったと思うことはあると思います。ただ、その時にしっかりと考えて一生懸命頑張った結果です。それを認めることで次に何をするかが考えられるのです。

嫉妬

嫉妬は、怒りと同じくらい大きなパワーを持っています。他人と比較して自分を下げています。しかし、実際は嫉妬した対象はあなたの中にあるかもしれません。

心理学では投影というものがあります。これは、自分の内面が他者を通して見ることが出来るのです。つまり、自分にないものを他の人を通して見えません。例えば、あの人はすごく周りが見えていて気が利く人だな。うらやましいな。と思っていたらあなたにもその資質があるのです。

自分を知るために嫉妬を利用してみましょう。

『反応しない練習』マコなり社長オススメの本を要約・実践してみた

書評 メモの魔力 自己分析でやりたいことを見つけ実現させる方法

【書評】比較癖がなくなる〜セルフコンパッションの要約・まとめ

ダメな自分〜無価値感

何をやってもダメな自分と思ってしまうことがありますよね。自分のことを認めてくれる人なんていない。自分自身も認められない無価値な人間と格付けしています。それは、育った環境によって形成された可能性があります。

例えば、受験で〇〇に入らなければならないと親に教育されてきた人はテストで100点以外は認めない。100点をとって当たり前みたいな環境で厳しく育てられると頑張って当たり前になってしまうのです。

マインドセット「やればできる!」では、しなやかマインドセットを持ってやれば、努力した事に価値があるとしています。そして、必ず成長するという心持ちが必要と言っているのです。逆に才能で全てが決まると考えている硬直マインドセットだと、失敗をするのは自分に才能がないからとすぐに挫折してしまうのです。100点以外は無価値というように。

今の自分を冷静に見つめて、今よりも能力を上げるにはどうすれば良いのか?失敗や逆境に直面した時どう乗り越えていくかを考えることの方がずっと有益という考えを持つのです。

執着を手放すには心の癖を治す

執着を手放すには心の癖を治す

自分の思考パターンを知る

自分がどういう時に負の感情出しているかをはっきりさせる事です。例えば、自分が恥をかかされたときに怒りの感情を出すことが多いと知ったとします。知ることが出来れば対策を考えられますよね。不意に怒るから対応しにくいのであって、来ると分かっていたら何とか出来ますよね。

例えるなら、タンスの角に小指をぶつけて痛いのは当たると思っていないからですよね。自分から同じ強さでぶつけても大して痛くないでしょう。

つまり、自分の怒りや不安にがどういう時に来るのかが分かれば、その感情に囚われることがなくなるのです。

本当はどうしたいのか?どうして欲しかったのか?を知る

ネガティブな感情を抱いた時に、自分の本心が分かります。例えば、友達とケンカしたときに『自己中だよね。』と言われてとても傷ついた。その前に謝りたかったけど、その言葉を聞いて謝れなかった。

ここからわかる本心は、その友達とは仲良くしていたい。自分勝手である自分を治したい。謝るのが良いというのは分かっていた。

自分の内面に目を向けて、理想の自分になるには何が必要かを考えると執着を手放すのがラクになります。

【書評】結局、自分のことしか考えていない人たち〜要約・まとめ

[要約]幸せになりたいなら幸せになろうとしてはいけない・まとめ・書評

[書評]相手は変えられないならば自分が変わればいいを要約してみた

お恨み帳に感情を吐き出す

筆記開示というテクニックです。8分から20分くらい今思っている感情を言葉にするのです。ルールはたった一つ。ペンを止めないことです。思っている感情を文字で視認することで客観的に見ることが出来ます。

しかも、ストレス解消になったり、脳を鍛える事もできるのです。脳の中のゴミを掃除する事によってパフォーマンスが向上するのです。

もしくは、時間は気にせず好きなときに好きな分だけ書いて見るのもいいかもしれません。自分の感情を理解するには、たくさんの量を書くことが肝心なのです。誰にも見せないことを前提に思いのままに書いてみるのがいいですよ。

ぽこにゃん
ぽこにゃん

後で筆記開示のノートを見てみると、こんなことで悩んでいたのかと。では今の悩みもきっと忘れてしまうだろうと思えますね。

感謝の手紙を書く

感謝の手紙を書く

執着に一定の距離を保つことが出来たら感謝の手紙を書くことです。執着していたということは、大事にしていたのです。また、これからを生きることを宣言するのです。

例えば、恋人が忘れられないとします。その人には、たくさん楽しい思いをさせてもらった事に感謝します。そして、その時と同じくらいかそれ以上幸せになることを自分に許可するのです。

手放すのは、雑に扱うのとは違います。自分の手元を離れることを許すほど大切にするということです

例えるなら、子供が大事でも成人してまで家でかくまうことは大切にしていることではないですよね。巣立つところを見守れるほど、子供のことを大事にしているということです。

感想

感想

執着の裏側には自分が思っている怒りや不安などがあるという事に気づけたのが良かったです。執着を手放すワークをやってみて自分の無価値感がゆがんだ見方によって引き起こされていることを知れました。

ただ、お恨み帳は著書の中では捨てて気持ちをすっきりさせたほうがいいと書いてあったところは、残した方がいいと私は思いました。

理由は、そのときに悩んでいたことを振り返ること、それを乗り越えたことは自分に自信をつけてくれると思うからです。どちらにしろ自分の心のモヤモヤを解消することが出来るとても良書でした。

執着を手放して幸せになる本・要約・まとめ

執着を手放して幸せになる本・要約・まとめ
  • 執着を持っていると、視野が狭くなりチャンスを逃す
  • 執着は負の感情が裏側にあり、それを整理することが肝心
  • 負の感情をお恨み帳に書きまくり自分の思考を知る
  • 執着を手放すには、大事にしていたことを認め感謝する

私たちに出来ることは、目の前にあるチャンスに気づき、試行回数を増やすことで成功する可能性を高めることです。そのためには一つのことに囚われてしまう執着は手放さなければなりません。

『執着を手放して幸せになる本』手に取ってみるのはどうでしょうか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました