仕事でやる気が起きない
上司が言っているやる気の出し方がピンとこない
上司に自分の仕事の価値観を押し付けられても困ると思うことはありませんか?
著者 尾原 和啓氏が『世代における仕事のモチベーションの違いとその取り扱い』について書かれた著書 モチベーション革命を要約と感想を載せていきます
- 40代以上の方は、仕事で何をモチベーションにしているのか?
- 30代以下の人がなぜ仕事にやる気が出ないのか?
- 仕事でやる気が出る方法
- これからの組織で生きていくために必要なこと
今、モチベーション革命は無料で読めるようになっています
乾いている世代と乾けない世代の違い

乾いている世代
乾いている世代とは、本書で40代の世代のことを指しています
団塊の世代では、ものを作る、豊かにするために働いてきました
例えば、戦後まもない頃は物が足りなく、貧しい時代でした
日本を海外にも負けないという気持ちで、仕事をしてきました

物が足りていないという気持ちが「乾いている」と表現していますね
乾けない世代
30代以下の世代を乾けない世代とします
なぜ乾けないかというと、『物がない経験がない』時代に生まれたのです
つまり、足りている世代とも言えます
乾けない世代は、会社のためにとかお金のためにと言われても、やる気が起きないのです
なぜなら、物がないことで、苦労した経験がないからですね
満たしたい欲求の違い

乾いている世代は、ものを所有することがステータスになっています
例えば、車や家、地位や名誉などを欲して仕事をしているのですね
一方、乾けない世代は、人間関係や意味合い、没頭することを目的にしています
意味合いとはどういうことか?
自分が生きる意味や目的のことです
例えば、マークザッカーバーグは資産の99%を寄付することを公言しています
財産を所有することに価値を見出していません
「世界の人々を1つに繋げ、次の世代を担う子供たちのために、人間の可能性を拡大し共同を推進すると言う目標」
「今世紀中にすべての病気の治療可能性ために30億ドル(約3300億円)を投資しています
マークザッカーバーグにとって、世界を変えていくのが意味合いということですね
幸せの5つの軸
アメリカの心理学者マーティン・セリグマンは『幸せには5つの種類に分けられる』と提唱しています
- 快楽
- 達成
- 意味合い
- 人間関係
- 没頭
つまり、団塊の世代の乾いた人達は、快楽や達成した時に幸せを感じます
日本を豊かにしていくことが、自身のアイデンティティだったのです
一方、乾けない世代の人たちは意味合い、人間関係、没頭した時に幸福度が高まるようになっているのですね
これが乾けない世代の強さになっていくのです

世代による価値観が違うのが良くわかりますね
これからは偏愛の時代

偏愛とは、どうしようもなく好きでしょうがないことです
AIの普及による影響
誰がやっても同じように出来ることは、人間がやる必要がなくなります
『偏愛を極めることこそが次のイノベーション』になるということです
偏愛がイノベーションになるとはどういうことでしょうか?
インサイト
インサイトとは、新しい視点を持つことです
ユーザーの潜在的欲求や購買意欲を見つけるために必要なのです
例えば、シリコンバレーでは、残業をさせないようにしています
それは暇だからではなく、その時間に消費者が何を求めているのか?
その裏側で、どんな欲求を持っているのかを追求する時間が必要なのです
イノベーションは仕事が終わった後でも、考え続ける偏愛があるからこそ生み出されるのです

自然と好きなことだと、どうしたらうまくいくだろうか?と考えてしまいますよね
仕事ができる人ほど公私混同
仕事とプライベートの線引きが曖昧になってきています
それは、テクノロジーの普及により、簡単に繋がれるようになったからです
仕事で部下にLINEすればすぐに状況を把握できます
だから、ON/OFFの切り替えが難しくなってしまいました
ただ、自分の生きがいの仕事だったら、一時も忘れないかもしれません
ゲームを何時間やっても過労で倒れる人はいないですよね

やらされている仕事であれば、休みは肝心です。ただ、没頭していると自然に考えてしまいますね。
お金を払う価値
自分にできないことにはお金を払う
著者はマッキンゼーという外資系コンサルタントに勤めていました
3ヶ月で何千万円という契約もあるのです
それは、企業が2年から3年かけて行う業績アップの提案をマッキンゼーに頼めば3ヶ月でやってくれると思っているからお金を払うのですね

相手の要望に応えることが、お金になるということですね
仕事の理想は得意なことで稼ぐ
自分が得意なことで、相手に感謝されます
つまり、相手にできないことを、自分の好きで実現していくのですね
著者の好きな言葉
任天堂故岩田聡元社長『労力の割に周りが認めてくれる事が、きっとあなたに向いていること。それが自分の強みを見つけるやすい方法だ』
モチベーション革命

自分では、あまり苦になっていないことが得意ということですね
非効率な「好き」こそ次の産業
好きとは嗜好品です
つまり、生活必需品ではなく、なくても困らないものです
その思いと行動に共感し、応援したくなっていくのです
例えば、キングコングの西野氏はディズニーを倒したいという野望を持っています
その思いと行動が、オンラインサロンのメンバーたちを動かし、熱狂させているのです
制作の過程でお金を生み出すことをプロセスエコノミーといいます
組織の働き方

トップダウンからフラットな関係
現場の判断でスピーディーに対応するフラットな関係にすべきです
理由は、今までの上司に報告して、調査して、決定を待つということを繰り返していくトップダウン方式では実行スピードが遅すぎるからです
フラットな関係では、ユーザーの潜在的欲求に早く気付いていた一人がチームと共有します
そして、チームの意見交換により、適正なリスクの最善策を試しながら改善していく方が有効です
なぜなら、変化の激しいこの時代で正解がやる前は分からないからです

自分の意見を言いやすい環境にするには、心理的安全性が必要です
心理的安全性はGoogleが『チームを作る中で、最も重要な要素は何か?』を研究して出した結論のことです
心理的安全性とは、簡単にいうと全員が同じ発言の量になる組織を目指します
一人が発言ばっかりして、他の人たちは黙っているのとは真逆の組織です
心理的安全性の作り方について興味のある方はぜひ手に取ってみるのはどうでしょうか?

上司に報告しても、何も変わらないことことが多いですからね。意思決定者は、慎重な考えになりがちですね。
理想はゴレンジャー
それぞれの得意を持ち合わせて、最高のパフォーマンスを発揮します
そのためには、自分や周りの得意を把握することが必要です
『強みの上に築け』
これは、人は強みを軸にして、考えることが大事という意味です
今の学校教育は、弱点を克服することに注力しすぎています

社会に出ても短所は改善すべきと考える人多いですよね
苦手を解消しても、大きな力は生み出せません
得意なことをそれぞれ用いてこそ、組織は機能するとは思いませんか?
強みを知るには?
- ストレングス・ファインダー
- VIAキャラクター強み調査
- 自分の取説を作る
ストレングレス・ファインダー
VIAキャラクター強み調査
無料で診断を受けたい方はこちらがいいです
15分から20分程度のアンケートに答えると強みを6つ出してくれます

私の特性は、公平感、優しさ、好奇心、感謝、学習への愛、忍耐力でした
自分のトリセツ
他者に自分とはどういう人間かを説明出来るようにして下さい
得意を活かせることも大事です。ただ、同じくらい苦手を避けることも重要ですよ
- 仕事でやってみたいこと
- 私の強みや頑張れること
- これだけは苦手
- 弱みをユーモアに変える

私は、体毛が濃いことがコンプレックスです。だから、毛が濃いねとイジられたら、優しさでコーティングしているのですと言います。
違う価値観は皆先生

学びの機会
私たちは、自分と違う価値観に触れると否定したくなります
自分と違うことに興味を持ちましょう
そして、自分の価値観と照らし合わせることで学べることがあります

好奇心を持って接すると、違いを楽しめますよね
自己成長
お坊さんが東日本大震災の時にカフェを開いて、被災者の痛みを和らげるために、傾聴活動をしていました
その時に、自己否定で、相手の言うことを受け入れることが出来ます
例えば、相手の辛い思いをしているときに「わかるよ〜。辛いんだよね。私も・・・」と言って自分の経験から喋ろうとすると、相手は分かってもらえていないと感じます
自分は何を知らない。だから教えて欲しいという姿勢で聞きます
それは自己成長につながります。相手に寄り添える懐の大きさを育てることが出来るからです
傾聴力に興味ある方はこちらの記事を参考にするのはどうでしょうか?
書評 人の心を動かす傾聴のコツ 人間関係が良くなる3つの決まり
迷惑をかけてはいけない
日本人は他人に迷惑をかけてはいけないというのが今の常識です
戦後は物が少なく、周りの人と支えあって、足りないものを補っていました
困っている時はお互い様ということです
今では、一家にテレビが1台以上あるので、他人に迷惑をかけることがなくなりました
インドでは、親が子供に、あなたが生きていくと他人に迷惑をかけている。だから、他人の迷惑も受け入れなさい
モチベーション革命

どちらが正しいというわけではないですね。考え方は違っていいのです
安心社会から信頼社会
安心社会とは、それぞれが規律を重んじ、みんなが同じであるようにしていた社会のことです
それが日本の良さであり、強みでした
統率された組織で、決まった手順でものを正確に作っていくのに適していたのですね
これからは、皆同じではいけばいけない、違っていた方がいいのです
信頼社会とは、簡単に言うと
と一つの仕事を完全に任せることが安心社会と大きく違います
Googleでは、秘密を漏洩した社員を即刻解雇し、全員に展開しました
信頼しているからこそ、ユーザーは情報提供してくれてます
もし、信頼を失えば、情報に規制が入りやれることが限られてしまいます
そうすればイノベーションは起こせないのです
信頼を持ってもらうことは、企業や個人が生き残るために必須条件ということでしょうね

信頼を獲得するには、自分の得意なことで成果を出すことが大事ですね
信頼を獲得するには?
相手を信じることです
信じると決めてしまえば考えてもしょうがない
しかし、期待するとは違います
お互いが成果を出し合うことこそ信頼です
シュムージング
雑談するときに、自分の話をします。自分が先にしゃべることで、相手にお返しをしなければいないならないと言う心理が働きます(返報性の原理)
相手が自分のことを話してくれたら、相手はあなたのことを好きになります
ストレングス
相手の気づいていない強みを教えてあげます
あなたはこういうところが凄いと私は思います
とアイメッセージで言うようにしましょう
私が思うことを相手は否定しづらいです
自信をつけさせてくれた人に相手を信頼するようになってます
感想

価値観の違い
団塊世代の上司が言っていることが理解できなかった理由が分かりましたね
乾いていない世代は、自分のやりがいや好き、没頭することに幸福を感じていたんですね
乾いていない世代が自分のことを知る
本書は、乾いていない世代をどう導けば良いかという、上の世代をターゲットにした内容でした
しかし、私は、乾いていない世代の人たちがどういう仕事を見つけていくか?
どのように仕事に向き合えば良いか?を知るために必要な本だと感じました
まとめ

- 団塊の世代は、快楽や達成に幸福を感じる
- 乾けない世代は意味合い、人間関係、没頭に幸福を感じる
- これからは、自分の強みや好きを知り、共有することが大事
- 自分の強みや好きで信頼を獲得して、チームに貢献する
自分の価値観に向き合う重要性を確認させてもらった本でした
今、モチベーション革命は無料で読めるようになっています
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